昨年の春より、神奈川県の卒業生である土肥先生が相模湖町立国保診療所に勤務されており、本年度の実習ではその診療所においても2日間実習させていただいた。同診療所は前任の医師が定年退職で辞職後1年間閉鎖されていたが、土肥先生が就任し診療を再開した経緯がある。先生の就任時は診察机と聴診器しかない診療所であったがその後診療機器を順次整備され、現在では]線透視システム、消化管電子内視鏡システム、携帯用喉頭ファイバー、超音波、ドップラーエコー、電気メス、パルスオキシメーター、ホルター心電計、マイクロ波、牽引マッサージ器、自動血球計算機などを完備し、昨年には年間8000人の患者数を確保するに至っている。
1日目は、午前9時より土肥先生による外来診察を見学した。午後1時半より上部消化管内視鏡検査を見学した。胃癌手術後のフォローの方と、胃潰瘍疑いの症例で、潰瘍疑いの方は2カ所の胃潰瘍が発見された。土肥先生の内視鏡の手技はスムーズで若しむことなく検査を進めていった。その後3時より引き続き外来を見学した。
2日目は、午前中は診療所隣にある社会福祉協議会の看護師さんが行っている訪問入浴サービスに同行させていただき、障害のある患者さんの入浴介助を学ばせていただくことができた。午後は診療所にて土肥先生の内視鏡検査と外来を見学した。
今回、このような実習の機会を与えられたことは本当に意義のあることだと実感した。自分が将来どのように診療所で働いていくのかということが、実際に見て、体験することで実感として認識することができたと思う。また、実習期間中に多くの卒業生の方々とお話しする機会を持つことができ、自分の将来の進路や人生について大学入学後初めて真剣に考えられたと思う。大学病院での実習とは違う新鮮な態度で実習に望むことができたこともよい点であったと思う。先生方の患者に対する態度はすばらしく、今後の病棟実習でも先生方を見習って患者に接していくようにしていこうという気持ちになることができた。
このように様々な実習施設での実習を組んで下さいました土肥先生、診療所のスタッフの方々にこの場を借りましてお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。 (自治医大医学部5年生、2002年9月)